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2010年1月

2010年1月31日 (日)

南仏プロヴァンスの12か月

/ピーター・メイル/

フォーテスキュー夫人の本を紹介していたら、この本をまた読みたくなってしまった。
ネットで探すと、この前の『ローラ あざらしと少女』やプロヴァンスの青い空と海のフォーテスキュー夫人、そして今回のこの本のように、鄙びた環境で暮らす物語のことを『逃避小説』とよぶ人もいるらしい。
厳しい環境ではとても逃避どころではないと、実際の経験に基づいて私は言いたいのだけれど、都会の喧騒から逃避していることは確かだ。
でもその代わり、彼らは自然と対峙しているのだ。
いずれにしても私は人間が苦手なので、事情が許せば自然と対峙するほうが好みであり、どうしても『逃避小説』にあこがれてしまう。
今も『プロヴァンス』に暮らしたくてたまらない。
でも、これが『逃避小説』なのだろうか?

プロヴァンスに居を構えたイギリス人である著者は、人間から逃げてなどいない。
どっぷり地元の職人や売り子たちと交流し、母国からの客ももてなし、土着の者として生きてゆこうとしている。
ネタを得ていると言えばそれまでだけれど、土地の自然と文化を愛し、理解しようと努め、自分なりに(そして家族とともに)寄り添おうとしている。
その前向きな心にこの本の温かみがあり、その結果生ずる異なる文化の衝突が、読者をわくわくさせてくれるのだ。

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2010年1月30日 (土)

イタリア料理が好き

/加藤美由紀/

私もイタリア料理が好きで、この本にもずいぶんお世話になりました。
1993年の出版です。
イタリア料理だけれど、日本で簡単に手に入る素材でできるものばかり。
そして何といっても、トマトソースやアンチョビなども手作りしちゃおうという、料理そのものを楽しむ姿勢が好きです。
もちろんピッツァやパンも生地から作ります。
写真1枚(1ページ)に対し、レシピ1ページ。
写真を見るだけでも楽しいです。

特にお世話になったレシピは・・・

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2010年1月28日 (木)

台所のオーケストラ

/高峰 秀子/

『タクトを振るのはあなた』と副題にあります。
著者は、女優引退後エッセイストとして頑張っている人です。
忙しいから手の込んだものは作らないとのことですが、おいしいものに目がない人らしく、どのページも簡単でいながら食欲をそそるものばかり。
和風、中国風、洋風とバラエティにも富んでいます。

材料別に見開き2ページで、食材の簡単な紹介と、一首、そしてお薦め献立の材料と作り方、といういたってシンプルな料理本。
作品の写真は皆無、分量だって書かれていません。
すべて主婦のカンで、というスタンスなのです。
内容は酒のつまみ系が多いかな。

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2010年1月27日 (水)

ソフィーの世界

/ヨースタイン・ゴンデル/

哲学者からの不思議な手紙

あまりに有名な本だけれど、再読してますます気に入った。
ある日、14歳の少女ソフィーは、『あなたはだれ?』とだけ書かれた一通の手紙を受け取る。
差出人はわからない。
それに私って、本当に何だろう?

毎回一つずつ出される宿題。
ソフィーは自分なりに考える。
手紙は、どんどん長くなる。
ときには、ギリシア哲学の歴史などに入り込む。
現実と物語が錯綜してくる。
話はどんどん複雑になる。

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2010年1月26日 (火)

貧乏サヴァラン

/森 茉莉:著/早川暢子:編

森林太郎(鴎外)の長女で耽美小説家および辛口エッセイストの森茉莉のエッセイ(森茉莉全集(全8巻)収録1993~1994)から、編者が食に関するものを抜き出した本である。

森茉莉は少女の頃に鴎外に溺愛され、その結果身に付いた妙な自己愛と生活能力の欠乏が祟ってか、2度の離婚を経て、世田谷のアパートで貧乏な一人暮らしをしていた。

生活は貧しくても心は貴族という心意気で、食事にだけは気を配り、トーストにバターを塗り、ジャムをつけ、おいしい紅茶を入れて楽しんだ。

少女の頃鴎外家で楽しんでいた果物やお菓子の話、若い頃フランスで暮らしていた時に覚えたおいしいメニューの思い出や、気に入った菓子を手に入れるためにどんな苦労をするかといった身近な話など、食いしん坊の茉莉ならではの話が次々登場する。

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2010年1月25日 (月)

プロヴァンスの小さな家

― サンセット・ハウス物語 ― /レディ・フォーテスキュー/

最愛の夫を亡くして2年後、いつまでも悲しみに浸ってばかりではいけない。
夫もそれは望んでいなかったはず。
でも夫と作り上げた今の家は、あまりに思い出が多すぎて辛くなる。
著者の『プロヴァンスの青い空と海』に続く、2冊目の本です。

ある日散歩に出かけた著者は、小さな石造りの農家に一目ぼれをする。
人が住んでいるにもかかわらず、『これこそ私の家』と直感する。

新しく友達となったアメリカ人の友人『マドモアゼル』に手伝ってもらって、値を吊り上げようとする持ち主と交渉し、年代を活かした好みのデザインに改装し、引越しの手続きを進める。
自分も村の住人であることを意識して、今回はなるべく村の職人を雇い、ぼろぼろだった農家を少しずつ住みよく変えていく。
前の持ち主に捨てられていたちっちゃな鍋に花を植えたり、鉄製の玉じゃくしをランプの代わりにしたり、知恵と想像力を駆使し、不用品を上手に使って、家の装飾を楽しんだ。

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2010年1月24日 (日)

ウインザー城の恋人たち

/レディ・フォーテスキュー/

年齢差や育ってきた環境の違いを上手に乗り越えて、お互いを尊重しあい、支えあってきた夫婦のものがたりです。
『愛とは時間をかけてはぐくむもの』と帯に書いてあります。
二人の温かい愛情が周囲の人も包み込み、どんな環境にも溶け込んで、豊かに広がっていくのです。
読者もその愛情に包まれる一人になるのです。
ロマンチックなだけでなく、夫婦の意志の強さ、前向きな気持ちがよく描かれていて、読んで励みになる本です。
残念ながら絶版なので、少し詳しく紹介します。

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2010年1月23日 (土)

プロヴァンスの青い空と海

/レディ・フォーテスキュー/

著者は古風なイギリスの女性の一人であり特別な教育は受けなかったのに、そのあふれる才能と明るい前向きな性格で、どんな境遇にあっても上手に工夫し、社会人として活躍してきた人です。

この本は1935年に書かれ、当時としては飛ぶように売れ、最初(第二次世界大戦前)のプロヴァンス・ブームを作ったといわれています。
老後の住処として、税金と生活費の高いイギリスを離れ、プロヴァンスの山小屋を改装して住むことにした夫婦と、地元の人たちとの交流を、楽しく生きいきと描いた作品です。

イギリス人とプロヴァンスの田舎の人たちとの気質の違い、田舎の結婚式や祭り、収穫のようす、職人や役所、庭師やお手伝いの人たち、そして自然の美しさなどが詳しく、ユーモアのある描写で書き込まれ、あたかも自分の隣人のように親しみが持てます。

著者が自然を、そして人間をこよなく愛しているからこそのエッセイだといえます。
読んだ人は誰でも、彼女の豊かな愛情を感じ、暖かい気持ちになるのです。

病気の妻を置いて仕事に来ている石工に『淋しがっている奥さんにね、』と言って庭の花をコサージュにして渡したり、自宅のティー・パーティーに村中の子どもたちを招待したり、うまく利用されているとわかっていながら村の若者の結婚式のために自家用車を出して運転手を務めてあげる。
こういったエピソードが、たくさん散りばめられているのです。

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2010年1月19日 (火)

ル・クルーゼで料理

/平野由希子/

ル・クルーゼは、フランス製のほうろうの鍋のことで、けっこう値がはります。
でも一度使うともう手放せず、さらに小さいの、大きいのと買い足したくなる、魅力的なお鍋です。
その利点はまず、シンプルな素材を使って、簡単な方法で、おいしく料理ができることです。

地球丸社のこのシリーズ、1は『15分でつくる編』、2は『ゆっくりつくる編』そして『日々のごはんと、季節の味と』という副題の『ル・クルーゼのMENU(ムニュ)』という3冊です。

平野さんの本はいっぱい持っているのだけれど、今日はこの1『15分でつくる編』をご紹介しましょう。

シンプルで簡単という紹介の通り、この本には15分以内でできる料理ばかり60点ほどが収められています。

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2010年1月18日 (月)

星座を見つけよう

/H.A.レイ/

表紙で2人の子どもが『わーい おもしろそうだな!』『たのしくやろうよ!』と話し合っています。
この2人が、本の中でも星座の説明を手伝ってくれています。
子どものときからの愛読書で、私はこれで星座を独習しました。
『おさるのジョージ(ひとまねこざる)』シリーズの著者が文も絵も書いています。

中を開くと、星座の形と覚え方が、独特の方法で示されています。
見つけやすい北の空から始まって、一等星を含む15の星座、季節の星空、という具合にレベルアップしていきます。
ところどころにクイズのページがあったり、『明るい星と暗い星』『光年』などの知識が身に着くコラム、各星座にまつわるギリシア神話の簡単な紹介などが挿まれ、子どもがひとりで楽しく学習をすすめていけます。

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2010年1月17日 (日)

いのちをいつくしむ新家庭料理

さ、めしあがれ  /辰巳芳子/

大切な人がいて、時間がかかってもいいから、厳選した材料で滋養の高いものを作って差しあげたい。
そんな思いの方にお薦めです。
病気や回復期の方へ、または離乳食として。

私は5年前に、父が癌だとわかったとき、この本を購入しました。

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2010年1月16日 (土)

クリスタル・シンガー

/アン・マキャフリイ/

主人公キラシャンドラ・リーは、冒頭で声楽家への夢を失う。

これは全編が、失った夢の代わりに新たなる天職を掴み、クリスタル・シンガーとして目覚ましく変身していく女性の物語りである。

その道の第一人者となる確率は、わずかしかない。
しかもクリスタル・シンガーになることを、出会った誰もが反対する。
反骨精神に充ち溢れるキラシャンドラは、夢を失った反動もあって、反対されればされるほどクリスタル・シンガーを目指したくなる。
その『目指したい』という気持ちが、彼女のその後に大きく影響するのだ。

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2010年1月14日 (木)

眼の誕生

カンブリア紀大進化の謎を解く

/アンドリュー・パーカー/

訳者あとがきが面白い。

『本書は目から鱗の物語である。しかも、二重の意味で。』

その後にこの本の内容紹介と、どんな風に目から鱗なのかの説明があるが、『なるほどそういう意味か!さすがだね、渡辺さん。』と、思わず膝を打つ。

目から鱗なのだから、種明かしをしてしまえば単純な話なのだ。

この本がすぐれているのはそのアイデアの斬新なことだけでなく、それを裏付けるたくさんの資料によって、説得力をもって読者にせまってくるところである。

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2010年1月12日 (火)

1つのボウルでできるお菓子

/大原 照子/

1993年にこの本が出て以来、お菓子作りでは最もお世話になりました。

著者がイギリスで覚え、20年以上作り続けたシンプル・レシピ35種類が紹介されています。

いずれもボウル1つと、18㎝のエンゼル型(リングの形の焼き型)だけでできるものばかり。

簡単だけれど、季節の果物やブランデー、ピーナッツなどで、個性豊かに薫り高く焼き上げられます。

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2010年1月11日 (月)

プレヒストリック・パーク

おなじみの自然動物学者ナイジェル・マーヴェンが、過去へタイム・トラベルする。
恐竜やマンモスなどを動物保護区『プレヒストリック・パーク』で飼うために連れてくるためだ。
その冒険を、アニマトロニクスやCGを駆使して6つの物語で紹介している。

要するにSF(サイエンス・フィクション)なのだが、現代の知識で分かっている限りの事実に基づいて正確に恐竜たちの生態を描き、それを分かりやすくナイジェルが説明してくれている。

なぜタイムトラベルができるかは、問わないのがここでのお約束だが、そのこと以外は細かいところまで、科学的によく配慮されている。
たとえば恐竜の時代、植物は裸子植物とシダ植物ばかりで、草本類はまだ現れていなかった。
だから撮影は、そのような風景の場所を選んで行われている。
時代考証にこだわるだけでなく、選ばれた風景は、広大で美しい。

恐竜などの動物たちの動きは自然で、あたかもそこにいるようだ。
現代最高の技術を駆使して制作されていること、間違いがない。

またナイジェルを応援するパークの職員たちはユーモラスで暖かく描かれ、見ていて楽しい。
パークには、本物のヘビやオウム、ゾウなどもいるのだ。
動物好きには、たまらない。
ぜひそこで働きたくなる。

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2010年1月10日 (日)

ローラ  あざらしと少女

/ロウィナ・ファー/

10歳の少女『私』が、叔母とただ2人きり、スコットランドの荒野で暮らしていた。
ときどき近所の人と交流することはあるけれど、いつもの相手は主に動物たちだ。

ネズミ、カワウソ、リス、ツグミ、イヌ・・・アザラシのローラは、その中で一番頭のいい動物だった。
35個もの単語を理解するのだ。
ちなみにイヌのベンは、12個だった。

ローラはまだ子どもの頃、親とはぐれたところを漁師に助けられ、『私』が育てることになったのだ。

ローラとの日々は楽しかった。
次々といたずらを仕掛けたり、いっしょに泳いだり、音楽を楽しんだり。
ローラは木琴やハーモニカも演奏できるのだ。
しかもとても上手に。

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2010年1月 9日 (土)

化石ウォッチング in City

/三宅隆一・川瀬信一 共著/ カラーブックス

ここでご紹介するのは、ハンマーもたがねも要らない、街での化石探索です。

もちろん、地図を片手に誰もいない崖や河原で化石を掘るのは、宝探しのようで夢中になります。

でもこれは、ショッピングのついでに街で化石を探すハウ・ツーブックです。

カメラやルーペがあると、いいかもしれません。

目的地は、デパートやホテル、博物館の大理石の壁や階段です。

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2010年1月 8日 (金)

ブルー・シャンペン

/ジョン・ヴァーリイ/

1986年に出たSF短編集。
表題の作品は、その2つ目に収録されている。

舞台は月に設けられた、人工力場発生器のおかげでシャンペン・グラス型の形を保っていられるプール、『バブル』だ。

主人公は、プールの救助員、クーパー。
筋骨たくましく、泳ぐことが好きな他にはほとんど何も考えていないようだが、何かにこだわりを持っている。

バブルで知り合ったタレント、メガン。
少女の頃に首の骨を折る大ケガをした女性だが、大金持ちの両親のおかげで美しく装飾された人工骨格『黄金のジプシー』を装着し、厳しい訓練を経て、モデルとして再起した。

2人の間の美しく悲しい、ラブ・ロマンス・・・
SFという設定を最高に活かし、重いテーマを取り扱いながら、さわやかにまとめてくれている。
私の最高にお気に入りの作品である。

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たったひとつの冴えたやりかた

/J・ティプトリー・ジュニア/  挿し絵:川原由美子

最初に登場するお話の主人公は、16歳のファースト・コンタクト(宇宙人と最初に接触すること)にあこがれる少女。

色恋沙汰には興味がないが、好きなことには夢中になる元気な女の子だ。

彼女は偶然のことから、望み通りのファースト・コンタクトを体験する。

相手は、脳に寄生するタイプの宇宙種族だ。

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深夜食堂 1~5

/阿倍 夜郎/

今夜は少しアルコールが入っているので、軽めのお気に入りをご紹介しよう。
ほっと心をなごませる、短編集だ。
思わず台所に立って、何かつまみを作りたくなる。

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2010年1月 7日 (木)

ソロモンの指環

/コンラート・ローレンツ/ 日高敏隆[訳]

『刷り込み』はご存知だろうか?
ガンなどのヒナが、卵から孵って最初に見た動くものを、親と認識してついて回るという現象である。

ロレンツはこれを最初に発見し世間に紹介した動物行動学者であり、これは彼の書いた一般向けの動物行動学の本である。



  

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2010年1月 6日 (水)

『黄金の羅針盤』の著者プルマンの、その他の作品

/Philip Pullman/  

煙の中のルビー (THE RUBY IN THE SMOKE) 
   →翻訳では、『マハラジャのルビー』

北方の影 (THE SHADOW IN THE NORTH) 
   →翻訳では、『仮面の大富豪』

井戸の中の虎 (THE TIGAR IN THE WELL)
   まだ翻訳はないようだ

ライラの冒険シリーズが、あまりにおもしろかったので、同じ作者の以前の作品を読んでみた。

      

舞台はヴィクトリア時代のロンドン。

16歳のサリー・ロックハートは、母をインドで亡くし、父も航海から帰ってこなかったので父の働いていた船会社を訪ねる。

『7つの祝福』という言葉を口にしたとたん、その雇い主は死んでしまう。

いったい彼は、何を恐れていたのか?
航海が上手かった父は、なぜ南シナ海で遭難したのか?

サリーは、若く美しいだけでなく、創意工夫に富んでいて前向きだ。

孤児にはなっても、恋人や仕事をを見つけ、結婚をし、恋人を失い、娘を一人で育て、たくましく生きていく。

巻が進むごとに、どんどん魅力的に成長していく。

ミステリー(これはファンタジーではありません)としての話の展開のおもしろさ以上に、サリーの魅力的な人柄が良くて、お気に入りの本になりました。

今では翻訳も出たらしいが、文庫版は1巻目しか見つからなかった・・・

海外ドラマにもなっているらしい。

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ライラの冒険シリーズ

/フィリップ・プルマン/

黄金の羅針盤 (THE GOLDEN COMPASS)

神秘の短剣  (THE SUBTLE KNIFE)

琥珀の望遠鏡 (THE AMBER SPYGLASS)

1995年だったと思う。
新聞の書評で、今回『カーネギー賞』と『ガーディアン賞』をとった作品は、今までにない世界観のファンタジーで・・・とあったので、興味をもって読み始めてみた。

はじめはダイモンが出てきて意味がよくわからず、私の英語力がないために読み間違えているかとも思った。

しかしこれは別の世界のことであり、そこでは魂の一部が動物の形をとって実体化し、本人と会話ができることがわかってきた。

そういった設定の細部が掴めてきたら、俄然おもしろくなった。

まず主人公のライラが、嘘をついたり、いじめたり、けっこう悪い子であるところが、気に入った。

しかし彼女は常にめげない。
いつもエネルギーに満ち溢れていて、仲間を守ろうとする。

彼女の母も父でさえ、邪悪な部分を持っている。
でも彼らにとって、ライラは特別なのだ。

西洋によくありがちな善と悪の2つに対立させた世界観と異なり、それぞれ立場が違えば少しずつ考えも違うという、もっと複雑な設定がしっくりきた。

ライラはジプシーや魔女などに次々出会い、舞台もロンドンから北極へと移動していく。

息もつけない展開で、英語で読んでいるのを忘れてしまうほどだった。

そして、最後が一番いい。
今までのファンタジーの中で、最高だった。
ぜひ最後まで読み進めていただきたい。

(今はもう、日本語訳も出ています。 でも、文庫本だと各巻3冊ずつです。)

        

英語だと、3巻1セット版もある。

なお、DARK MATERIAL シリーズというのがあって、新しく出た本かと思ったら、ライラの冒険シリーズと同じものでした。

著者プルマンのその他の作品については、別掲する。

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深夜特急

/沢木 耕太郎/  

26歳の『私』は、路線バスを乗り継いで、香港からロンドンまで行こうという壮大かつ無謀な計画を立て、実行する。

途中、行きずりの人の家に世話になり、娼館に宿泊し、時には病気になり、さまざまなことに興味を持ち、友達をつくり、また別れてゆく。

人に騙されたり、親切にしてもらったり、さまざまな経験を積んで、沢山の国を通り過ぎてゆく。

            

文庫本で6冊になる。

一時は、バックパッカーの多くがバイブルとして持ち歩き、海外のユースホステルでお互いに交換し合っていたと言う程、インパクトが強く、影響力のある本である。

沢木耕太郎の、メリハリのある鋭い描写が、旅の一瞬を切り取って、こちらに差し出してくる。

いつの間にか旅行していなくても、日常とは異なる眼で外を眺め、考えている自分に気づく。

私が一番好きなのは、香港でカジノにはまる処である。

私はカジノにのめりこんだことはないが、どんなふうにして人ははまっていくのか、リアルに描写されている。
次第に夢中になり、頭がフル回転し、コツを飲み込んだ!と興奮する瞬間。
ルーレットの回るカラカラという音と共に、そのカジノの怖さをたっぷり堪能した気持がする。

ぜひ読んで、ギャンブルの恐ろしさを味わってください。

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あな吉さんのゆるベジ料理BOOKS

『あな吉さんのゆるベジお弁当教室』

     /朝倉ユキ(another kitchen)/

肉・魚・卵・乳製品・砂糖・だし 不要! ぜーんぶ植物性の材料だけ! という本です。

あな吉さん(another kitchenというベジタブル料理教室で有名になった人です)は、3人の子どもたちのお母さんです。

はじめは何でも食べていたのですが、最初の子を妊娠した時に、体を楽にするために始めたベジタリアン生活がすっかり気に入ってしまったのです。

でももともと食いしん坊のあな吉さん、ガチガチのダイエット食は厭で、自己流のアレンジです。

外食や日曜日は、好きなものを食べていいことにしているのです。

またベジだと、下ごしらえなどが大変なのですが、それも極力簡単にして、手早く料理をすることしています。

この本では、寝坊な人がどうやって朝の時間を節約するかとか、余った食材はどうするかとか、知っていると便利なコツも沢山盛り込んであります。

それに、どれも本当に時間がかからないものばかりなのです!
(10~20分くらいです)

1人暮らしの私にも、簡単に導入できるものが満載!

      

  

なお最後の『野菜100%おもてなしバイブル』は、私は持っていません。

でも持っているあな吉さんの本はどれも、かなりの頻度で私のキッチン・テーブル上に出現し、1回の食事に何種類も試作してきました。

あな吉さんの料理の作り方が変わっていて、5人家族なのに1品につき2人前しか作らないというのです。

その代わりに何種類も手早く作り、家族は食べたいものを自分で取り分けるというシステムなのです。

だから飽きないし、残らない。
好きなものを食べられる。

実際やってみると、だしをとるとか、豆腐の水切りをするといった手順を省略することや、フードプロセッサーやミキサーを導入することで、すごく簡単に何種類も作れるのです。

また同じ食材でも、アレンジを変えればたくさん食べられる。

たとえばニンジンという食材から、ギョウザ、つけもの、ふりかけ、いろいろ作るのです。

それにヘルシーで、たくさん食べても罪悪感がないのです。



私が一番気に入ったのは、おいなりさんです。

まず、砂糖を使わないので、お揚げを切干大根といっしょに煮て、甘味をつけます。
お揚げの開いて、中にシソの葉を一枚はりつけるのが、隠し味です。
ごはんには、ゆず胡椒を混ぜ込み、風味をつけます。
これは本当においしくて、何度もリピートしました。


また、『子どもに野菜を食べさせたい』に載っていた、『にんじんのひたすら炒め』もオススメです。

ニンジンを千切りにし、塩一つまみ入れて、強火で5分、弱火で5~8分、ひたすら炒め続けるだけです。
ニンジンの甘味がギュッと凝縮されて、チーズのように濃い味になります。
私はこれをおかずに、ごはんがどんどんいけちゃいます。
レシピも簡単だし、ぜひ、試してみてください!


あな吉さんは、ブログも公開しています。
レシピや日記が満載です。
ぜひ、そちらもご覧ください。


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ダレン・シャン(シリーズ)

  /ダレン・シャン(作者名も)/

普通の男の子が、吸血鬼の仲間に入れられ、『ハーフ・ヴァンパイア』として生きていくことになってしまう。

ストーリー展開に魅せられて、英語でもどんどん読んでしまう本。

全部で12巻あるのだけれど、最初に3巻セットになった本を買ってみたら、はまってしまった。

次に示すように、1~6巻がセットになったものはあるのだが、6~12巻のセットは見当たらないので、バラで買うしかないのではないか?


         


話は、普通の子どもだった主人公が、奇妙なサーカスでクモを見て欲しくなり、無理に手に入れようとしたことから、吸血鬼にされてしまう物語だ。

吸血鬼の生活がまず、我々の予想外だ。

それはグロテスクものなのだが、あっけらかんと語っているので、いつの間にか読者の我々にとっても、当り前なことになってしまう。

吸血鬼の仲間たちも、それぞれに個性とプライドを持っていて、次第に親近感も覚えてくる。

それなのに、いともあっけなく彼らは死んでしまうのだ!
吸血鬼の生活は、とても厳しいものなのである。

話は、いろいろな伏線がからみあい、考えもしなかった方向に我々を引っ張っていく。

走り始めたら、もう止まらない。

さらに登場人物の豊かな個性、環境や感情の描写の細やかさによって、物語は深みを増していく。

私は、最初に主人公を半吸血鬼(ハーフ・ヴァンパイア)にした本吸血鬼の男が好きだ。

彼は、"Don't"と決して言わない。
"Do not"と、略さずに言うのだ。
それがこの、昔堅気の本吸血鬼にとってのこだわりだ。

英語で読むと、そんなことがわかって、おもしろい。

(もちろん、日本語に全部翻訳されています。)

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2010年1月 5日 (火)

時の旅人(アウトランダー・シリーズ)

   /ダイアナ・ガバルドン/

これは、長編冒険ロマンス小説である。

恋愛部分はちょっとハーレイクイン・ロマンスに似ているが、タイムトラベルはSFの要素を含んでいるし、歴史や動植物、人間関係、料理や発明品など、細部にわたって描写や設定がきめ細かく、配慮がゆきわたっていて、厚みと深みがあり、楽しめる。

著者は元、海洋生物学の教授(女性)なので、その辺が私とウマの会う理由かもしれない。

物語は展開が早く、その行く先も予想外で、もう読み始めると、止まらない。

それに、登場人物もウィットに富み、前向きである。

くすくす笑ったり、はらはらしながら読み進めるが、残念ながら日本語はまだ6巻までしか翻訳されていない。
(6巻は昨年12月に出たばかりだ。それも、4冊のうちまだ1・2冊のみだ。)
(しかも、1巻あたり3冊の文庫版だ。5巻と6巻は4冊の文庫版に分かれている。)

英語では7巻まで出ているが、全部で8巻になるらしい。

今7巻目の原書を読んでいるところ。
少しネタばれになってしまうけれど、こちらに読書記録を載せました。
よろしければ、のぞいてくださいね。

      『骨のなかのこだま』 原書の感想

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最後の授業

    /ランディ・パウシュ/


これは、小説ではない。

2008
年8月に癌で亡くなった、アメリカの大学教授の行った本当の意味での『最後の』授業の記録(DVD)と、それについてのエッセイである。

アメリカでは、退任時に『最後の授業』をするのが慣例となっている。

著者は自分が癌でもう治る見込みが少ないと知ったとき、まだ小さい3人の子どもたちに自分が残せる記録として『最後の授業』を引き受けたのだ。

その内容はとても前向きである。

自分がいかに科学を好きで、その道を志してきたのか。

両親がどんなふうに、自分の興味の芽を伸ばしてくれたのか。

チャンスをどのように活かし、掴み取ってきたのか。

教えることの、何がおもしろくて、どんな工夫をしてきたのか。

子どもたちが、もっと大きくなってから伝えたかったことを、明るく熱心な授業にまとめ、スライドを駆使して聴衆にも伝えようとしている。

この素晴らしいメッセージを、あなたにも共有して戴きたくて、ここに書きました。

ぜひ、DVD版を購入してください。

 
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すべてを食べつくした男・やっぱり美味しいものが好き

『すべてを食べつくした男』

『やっぱり美味しいものが好き』

/ジェフリー・スタインガーテン/

前述『アマンダ・・・』のエッセイにも登場した人物である。

もともと弁護士だった彼は、大食漢、熱心で凝り性な性格を発揮してエッセイを書くうちに、とうとうフードライターになってしまった・・・

 

彼の立場は一貫している。

まず健康のために食べるのではない。

食べるから健康なのだ。

おいしいものが、体に悪いはずがない。

それをさまざまな実験、データ分析で証明しようとする。



好き嫌いをすることは、偏見があるからである。

これに挑戦するためには、嫌いなものを食べ続けることだ。

半年間嫌いなものを一日1種は食べるように努力し、証明した。



おいしいものは、味わうだけではいけない。

自分で作れなければならないのだ。


ケチャップについては自分でも作ってみた上、さらに35種類をろえて試食して評価した。

自分で和牛が上手に焼けなければ、日本にまでやってきて焼き方を学んだ。


フライドポテトを作り続けた。

ジャガイモや油の種類をいろいろ変えてみる。

温度、切り方、下処理、揚げ方、道具(電動フライヤー数個による実験を含む)を試してみる。

フライの匂いで、奥さんに愛想をつかされる。

とにかくすることが徹底している。




続編『やっぱり・・・』では、さらに凝っている。

おいしいトロが食べたくて、ホンマグロのトローリングに出かけたり、おいしいポテトグラタンを極めたくて、2~3週間毎日作り続けたり・・・




私が一番おもしろかったのは、『やっぱり・・・』の中の『国境の南-タコスの誘惑』だ。

おいしいタコスを作れるようになりたくて、アメリカ西海岸のサンディエゴからメキシコのバハカリフォルニアまで15回も通い続ける。

あまたのタコスを食べ続けてようやく店主の信用を勝ち取り作り方を伝授してもらう。

さらにまた、タコスを包むトルティージャを作る女性に、会うことを拒まれて苦労をする、という話である。


もちろん最後には、なんとか女性にも会えて、マンハッタンの自宅で試行錯誤を繰り返してそのタコスを再現できるようになるのだが。



おいしいものを食すということにかける情熱。

辛口だが内容の濃い2冊である。

     

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消えた「最後の授業」言葉・国家・教育

/府川源一郎/

 
あなたはドーデの「最後の授業」という小説を読んだことがありますか?

そして、教科書に載っていたあの短編が、80年代を境に国内で出版されているあらゆる出版社の教科書から消えていることを知っていますか?

『感動的な小説だ。』と思って読んでいた私たちの世代の人なら、『どうして消えてしまったのだろう。』と、誰しもが疑問を持つことと思います。

どんな圧力が働いたのだろう・・・。

戦争に反対する人たちの圧力だろうか、それとも『被虐的』と日本の戦争責任を認めない人々による圧力だろうか・・・。


この本の帯に、こう書いてあります。

『かつての国民的教材「最後の授業」が86年を境に教科書から全く姿を消してしまった。一体何が起こったのか?』

これに私も興味をそそられて、この本を手に取り、扉などをながめているうちにさらにのめりこみ、研究室の貸し出し簿に記録して借り出してきました。



著者「府川源一郎(横浜教育大学教育学部助教授)」は、自分が小学生のときに教わったはずの「最後の授業」は全く記憶していません。

しかし、最初に小学校の教員として教材に使用したときに、生徒の一人から投げかけられた疑問が心にひっかかり、ずっとこの教材を研究してきたのです。



国語教育にまったく無縁の私でしたが、これを読んで俄然興味がわいてきました。

国語教育において、教科書に載っている教材は、どのような基準で選ばれているのか。

それを使って、私たちは生徒に何を学ばせようとしているのだろうか。


教材が小説の場合、小説というものは当然虚構の世界である。

まずそこに設定されている舞台を読み込んで自分のものとし、そうして得た新たな立場から世界を見つめなおすこと。

生徒達にその経験をさせることに、国語教育の意味があるのではないか。


そのような視点に立って、筆者はドーデの作者としての考え方のみならず、小説の舞台となったフランスのアルザス地方の歴史的、政治的背景を分析していきます。

さらに、この小説を教材として取り上げてきた戦前および戦後の日本の状況、そして国語教育会の教材に対する認識の発展へと、話は展開していくのです。



この短編自身の持つたいへん感傷的なタッチとうらはらに、その短編を扱ったこの本の作者は、実に客観的、そして分析的に日本の国語教育の歴史的変遷を見つめ、分析していきます。

そして「最後の授業」の短編としての価値を認めながらも、それが教科書の教材としては取り上げられなくなっていった経過を明確にしていくのです。


フィクションを題材にしたノンフィクションです。

「目からウロコ」。

そんな体験をしたいあなたは、ぜひ手にとっていただきたいです。

大修館書店 1992 定価2,060円(読んだときのデータ)

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聡明な女は料理がうまい

/桐島洋子/

  いわゆる料理の指南書とは異なる本です。

確かにおいしい料理の仕方の手がかりはたくさん盛り込まれています。

でも根本を流れるのは、既成の概念つまり、
「料理は女の仕事である」
「料理は女に押し付けられた家事労働である」
といったものを打ち砕き、料理の定義をし直そう、という信念であります。

料理とは、人間の能力の「大胆かつ柔軟な発想力」「冷静な判断力」等を発揮し、
その報酬として最後にはおいしいものにありつけるというものである。

料理とは、人生に欠かせないスパイスであり、娯楽なのであるということを伝え、みなさんに料理を楽しんでいただこうという考えなのであります。



ちなみに私は最近「ぬかづけ」を始めましたが、実に簡単かつおもしろく、またおいしくて健康的な労働であります。

長年民族が培ってきた文化であり、生活の知恵である、こういった料理の楽しみが、忙しさによって失われつつある現代を悲しみながら、この本を推薦し、みなさまの生活の中における料理の位置を高めたいと思います。

文春文庫 420円(今は絶版らしい)

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「ソバ屋で憩う」 悦楽の名店ガイド101

/杉浦日向子とソ連編著/

ソバ屋に行かなくたっていいのです。

寝転がって、この本をつらつらながめていると、「こんな時間の使い方って、いいなぁ。」と新たな贅沢を発見できるのです。


みんながあくせく背広でかけまわっている平日の午後にわざと年休をとり、ソバ屋の座敷でまったりと過ごす。

そばとのりをつまみに、気の合った仲間とばかな話をしながら、無為な時を送ってみると、人生観がちょっくら変わりますぞ。


この本に載っている店でなくてもいいのです。

あなたの街の名店を、この本の基準に従って探してみてはいかがでしょうか。



単なる蕎麦屋のガイドブックではなく、大人な時間の使い方に関する指南書と思ってお読みください。




 (今は絶版らしいので、続編の123店の方をお求めください。)




(これも絶版になってしまった・・・。

杉浦日向子は、若くして亡くなってしまった江戸研究家/漫画家です。

彼女の作品も、そのうち紹介したい。)

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チューリップ・バブル

     人間を狂わせた花の物語

/マイク・ダッシュ/

 こどもの頃、大デュマの書いた『黒いチューリップ』というロマンス冒険小説を読んで、問題のチューリップってどんな姿なんだろうと、わくわくした。

17世紀の絵画を見て、この花が病気だって、信じられないと思った。
またどんな種類が
あったのか、もっと知りたいと思った。

チューリップの球根にありえない高値がついて、それをめぐって人々が争い、事件が起こる。

庭でこっそり育てる人、それを掘る人、取引する人、そして大暴落・・・

そのあまりの劇的な事実に、詳細を知りたくて、私の好奇心はくすぶり続けた。

それを満足させてくれたのが、この本である。

わずか数年間でどのように価格が高騰していったのか、球根の取引をめぐる駆け引き、そして1637年の大暴落。
暴落はたった数カ月間の出来事であった。

そのことが、さまざまな角度から詳細に、たくさんの図版入りで説明されている。

チューリップの他にも、ヒヤシンスなどで、小規模のバブルはあったという。

日本でも、江戸時代の変化朝顔などについては、同じような傾向がある。(朝顔が変化する原因は、チューリップとは異なるが。)


妖しい変化に取りつかれるマニアと、それに乗っかろうとする投機家や素人の煽るバブル。

いつの時代にも共通の『バブル』という社会問題を理解する上で、とても分かり易く、良く書き込まれたノンフィクションである。






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