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2010年1月28日 (木)

台所のオーケストラ

/高峰 秀子/

『タクトを振るのはあなた』と副題にあります。
著者は、女優引退後エッセイストとして頑張っている人です。
忙しいから手の込んだものは作らないとのことですが、おいしいものに目がない人らしく、どのページも簡単でいながら食欲をそそるものばかり。
和風、中国風、洋風とバラエティにも富んでいます。

材料別に見開き2ページで、食材の簡単な紹介と、一首、そしてお薦め献立の材料と作り方、といういたってシンプルな料理本。
作品の写真は皆無、分量だって書かれていません。
すべて主婦のカンで、というスタンスなのです。
内容は酒のつまみ系が多いかな。

少しご紹介すると、
『鯛』…白身魚の昆布あえ
『人参』…大根とにんじんのおろし
『鯵』…小あじの唐揚げ(ぎんなんも揚げて添える)
『肝臓』…レバーの山椒煮
『オクラ』…オクラの納豆風
『鱈』…たらの白子と大根の千六本鍋
『茄子』…中国風の蒸しなす
『八角』…鶏の手羽先の八角煮
『パルメザンチーズ』…野菜のホワイトソースグラタン
『スープ』…ミネストローネ(ブイヨンなどの代わりに缶詰のスープを利用するコツの紹介)
『サラダドレッシング』…サラド・ニソワーズ
『ほうれん草』…おとし卵とほうれん草
『ブルーチーズ』…ブルーチーズのカナッペ(つけ合わせはラディッシュ、セロリ・スティック、ちびキュウリなど)
ね、おいしそうでしょ?


食材の紹介は、美人女優さんで売り出した人とは思えないくだけたべらんめぇ調で、ところどころに小さいときの思い出や、著者が知り合いの著名人(谷崎潤一郎とか、團伊玖磨など)との逸話など、彼女ならではの味がたまりません。

たとえばこんな具合。

『鮪(まぐろ)

(略)
 そういえば、私が子供だったころにも、マグロはとってもお安い魚で、ことにトロなんか脂が強すぎるというので、「ねぎま」か「山かけ」にして、ゴマ化して食べたものでしたっけ。
 それがまァ、今日では一流の寿司屋で、「トロ」なんて言おうものなら、一個で千円がとこはふンだくられちゃうんですからビックラ仰天です。
(以下略)』


そうそう、各ページの『一首』というのは、『和風』コーナーでは俳句、『中国風』では漢詩の一文、『洋風』は各国のことわざや欧米作家の作品からの引用と、けっこう凝ったつくりになっていて、ピリリとスパイスを利かせてくれています。

カバーは安野光雄。
彼女は本当に顔が広い。

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