深夜食堂 1~5
/阿倍 夜郎/
今夜は少しアルコールが入っているので、軽めのお気に入りをご紹介しよう。
ほっと心をなごませる、短編集だ。
思わず台所に立って、何かつまみを作りたくなる。
マスターは、片目に傷のある、ちょっといかつい、おじさんだ。
営業時間は、深夜0時から朝の7時頃まで。
場合によっては、もうちょっと営業するし、事情によっては、突然貸し切りになったりもする。
メニューは、豚汁定食にビール、酒、焼酎の4種類だけ。
後は注文によって、出来るものなら何でも作ってくれる。
一話10~20ページの中で、時にはおなじみさん、時には飛び込みの、いろいろなお客さんとマスターとのやりとりの間に、一つの物語が浮かび上がってくる。
客の注文はいろいろだ。
思い浮かばなくて(あるいはこだわって)豚汁定食の人、赤いウィンナーを炒めたやつ、ポテトサラダ、納豆定食、ミディアムレアのたらこ、鯵の開き、冷やしトマト、さんま蒲焼き丼・・・
それぞれの注文には思い出や思い入れがあって、そこを何気ないマスターの一言がタイミングよくからんで、話が展開していく。
おもしろいのは常連さんや居合わせた人が、この2人の(あるいは3人、4人の)やりとりに脇から参加し、同じものを注文したり、問題解決に知恵を貸したりするところだ。
深夜に外で食事をする、きっと寂しい人たちのはずなのに、店の中はなぜか暖かい。
凝った難しい料理は登場しない。
材料はありふれた、でも簡単ににひとひねりした、そんなおつまみが脇役だ。
えらぶった人にはちょっとムッとする、そんなマスターのこだわりも、話にスパイスを利かせてくれる。
細い線で丁寧に、でも何となくぎこちなく、書き込まれたイラストが、ほのぼのとした物語の雰囲気を盛り上げる。
ビッグコミックオリジナルで連載中、ドラマ化されてTBSで毎週水曜日深夜0時34分から(マスターは小林薫。これが実に当たり所だ。)放送されていた(十話まで)。
(DVD化もされるらしい。)
私が最近作ったのは、キャベツの塩昆布和えだ。
ごま油を少したらしこむ。
ぱりぱり、さっぱりいける。
ぜひ、お試しあれ。
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