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2010年4月28日 (水)

踏みにじられたユリ2

『踏みにじられたユリ』の続きです。

電車の中で毎日少しずつ読み継いで、フォーテスキューさんの本を、読み終わりました。

戦争で踏みにじられた生活を描いたものですが、さわやかな読後です。
著者の前向きな生き方、自分たち(彼女の場合、主にフランス軍)の兵隊に対する忠誠、パートナー(彼女の場合、フランスで友人となったマドモアゼルや、愛犬ドミニーたち)への信頼と愛情などが豊かに描かれているからです。

前回は、アルプスの兵舎を食糧や薬品、暖かい衣類、燃料、娯楽用品などで充実させるために、マドモアゼルといっしょに出かけたところまでご紹介しました。
マドモアゼルが病気になったり、家が雪に閉ざされたりしたときに、著者のそばにいるのは、いつも忠実なドミニーです。
『マイ・ブラックネス』と彼女は呼んでいます。
写真を見ると、黒いラブラドールに見えるのですが、コッカー・スパニエルのようです。
本の前半では、神経質な小さい犬とされていますが、後半に著者がどんどん追い込まれた状況になってくると、ドミニーが頼りがいのある犬に成長していくのが感じられます。

著者とマドモアゼルがサポートしようと奔走しているフランス軍は、高潔な人ばかりというわけではありません。戦争が始まったばかりの頃に彼女たちが出会ったのは、家を使わせてあげた規律ある将校や、環境の厳しいアルプスに駐在して彼女たちの差し入れに狂喜した素朴な兵士たちでした。だからこそ、外国人である彼女たちも、フランス軍のファンになり、私財を投じてひたむきに援助をしたのです。
でも戦争が長引くにつれ、いろいろな軍人たちに出会います。提供してもらった家に女を連れ込んだり、まるきり責任感がなかったり、むかつく相手も少なくありませんでした。そんなことに触れる時も、著者はぐちばかりを書いたりはしません。必ず心温まるエピソードを挿入して、読者の気持ちを盛り上げてくれるのです。

しかしアルプスから戻ると、友人のマドモワゼルはますます軍隊のことで多忙になってしまい、もはや村人にクリスマスの贈り物さえしなくなってしまいます。
一方戦況は悪化し、イタリアも参戦しそうになってきます。
もともとイギリス人である著者は、このままでは敵地に置き去りになってしまう危険に気付くのです。そんなとき、退職軍人で療養のため南国に行く途中に南フランスに足止めをくらった老人が、イギリス軍の研究に一生を費やしたジョン・フォーテスキューの奥方を、責任をもって本国に連れ帰りたいという気持ちで、エスコートを申し出てくれるのです。
そして著者の大切な『サンセット・ハウス』を買ってくれる人が現れます。
著者はとうとう、イギリスへ帰ることにするのです。


※ やっとここまで書けました!
  今日はここまでにします。
  明日、続きを書きますので、ぜひのぞきにきてください。

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