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2010年9月25日 (土)

An Echo in the Bone 骨の中のこだま11

『その生き物のふるさとは海である。しかし人間の味を楽しむために、ときどき陸に上がってくる。陸では、ノクレヴィーは馬に乗る。馬はノクレヴィーの本体とほとんど一体化して、見分けがつかないこともある。ノクレヴィーの頭は、人間の10倍もあり、口は豚の鼻づらのように飛び出していて、食道が大きく口を開けている。
ノクレヴィーには皮膚が無く、黄色い血管や筋肉、腱などがはっきり見え、全体は赤くねっとりした粘膜で覆われている。
ノクレヴィーの武器は、毒のある息と、巨大な力である。しかし、弱点はある。真水が嫌いなのだ。
ノクレヴィーが乗っている馬は、赤い目がひとつ、クジラのと同じ大きさの口、前足についた鰭のようなものなどがあるとされている。』


「おぉ、やだ!」
ブリアナは、本を閉じた。それは、ロジャーのスコットランドの民話に関する蔵書の1冊だった。
それから、ジェムをじっと見た。
「あなたは、これを見たの?あの円塔のそばで?」


家に帰ったブリアナが、ロジャーの本を調べて読みあげているのです。
私もノクレヴィーは知りませんでした。
スコットランドの人々は、ずいぶん気味の悪い生き物を想像していたものですね!
同感の方は、下をクリックしてから、戻ってきてくださいね。

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彼女の息子は、片足からもう一方へと体重を移した。
「えっと、あいつは自分がそうだと言ったよ。もし僕がすぐにいなくなんないなら、本当の姿になるぞと言ったんだ。僕はそんなの見たくなかったから、立ち去ったんだ。」
「そうね、私だって嫌だわ。」
ブリアナの心臓は、少しゆっくりになった。
いいわ、ジェムは男に出会ったのね。怪物ではなく。
その怪物のことだって、ブリアナは本当に信じていたわけではない。
でもとにかく、誰かが円塔の周りをうろついていたという事実だけで、十分に心配だった。

「その男って、どんなようすだったの?」
「えっと・・・、大きかった。」とジェムはあいまいに言った。ジェムは9歳なのだから、ほとんどの男はジェムよりも大きい。
「お父さんと同じくらい大きかったの?」
「うん、たぶん。」

さらに厳しく問い詰めてみたが、あまり詳細はわからなかった。
ジェムは、ノクレヴィーが何なのかは知っている。
彼はロジャーの蔵書から、刺激的な話はほとんど読んでいたのだ。
そして、突然自分の皮膚を脱いで彼を食べてしまうようなものに出会うことを、とても恐れていたのだ。
だから、その男自体に対するジェムの印象が薄かったのかもしれない。

「なぜその男について、私やお父さんに話さなかったの?」
ジェムは、ほとんど泣きそうだった。
「僕が話したら、戻ってきてマンディを食べてしまうって、あいつが言ったんだ。」
「まぁ。」
ブリアナは、片手をジェムに回し、自分に引き寄せた。
「わかったわ。でも、怖がらないでね。もう、大丈夫なのよ。」
今や、ジェムは震えていた。
それは記憶によるものと安心の両方によるものだった。
ブリアナは彼の明るい髪をなでて、なぐさめた。
きっと浮浪者だわ。
円塔でキャンプしていたのかしら?
きっともう、いないのよね。
ジェムの話からすると、彼がその男に会ったのは、もう1週間以上前のことのようだわ。でも・・・

「ジェム」とブリアナはゆっくり言った。
「それじゃどうして、あなたとマンディは、今日あそこへ行ったの?あなた、その男がいるかもしれないとは思わなかったの?」
ジェムは、びっくりしてブリアナを見た。
そして赤い髪を乱して頭を振った。
「ううん、僕は立ち去ったけど、隠れてあいつを見張っていたんだ。あいつは西へ行った。そっちに住んでいるんだ。」
「そう言ったの?」
「ううん、でもああいう者たちは、みんな西に住んでいるんだ。」ジェムは本を指した。
「西へ行った時は、戻ってこないんだ。それに僕はそれからあいつを見ていない。僕は見張っていたんだから、絶対だよ。」

ブリアナは笑いたかったが、まだとても心配だった。
それは本当だ。多くのハイランドの民話は、超自然的なものが西へ去ることや、それが住んでいる岩や水の中に消えることで終わっていた。

「そいつは、ただの浮浪者よ。」とブリアナは断固として言い、ジェムを離す前に背中を軽く叩いた。「もう、そいつのことは心配しなくていいわ。」
「本当?」とジェムは言った。明らかに彼女をとても信じたがってはいたけれど、まだ安全だからとほっとすることはできないようだった。
「本当よ。」とブリアナは確固として言った。
「わかった。」
ジェムは深くため息をついて、ブリアナを押しのけて立ち上がった。
「それに」と、うれしそうに付け加えた。
「おじいちゃんは、そいつが僕やマンディを食べるのなんて許さない。僕はそれに気付くべきだったな。」

明るいジェム。
この章、まだまだ続きますが、面白い展開があります。
ぜひもうしばらくお付き合いください。

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