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2010年10月14日 (木)

An Echo in the Bone 骨の中のこだま16

13の終わりで、ロジャーがブリアナにオクスフォードへ行った理由を話していました。
彼が確かめたかった考えは、クレアが話してくれたことに原因があり、14と15はそのクレアの話の内容でした。
部隊は再び1980年、ロジャーとブリアナの時代に戻ります。


「というわけさ。」
宵の星々が、山の端の上にかすかに現れ始めていた。
山の夜がベルベットのように降りていたリッジ(多分ジェイミーやクレアと暮らしていた、18世紀アメリカのフレイザー・リッジのこと)の上の星ほどは輝いてはいないけれども。
2人は家に帰ってきていたが、敷居の所でぐずぐずしていた。

「僕は、そのことについて、たびたび考えてきた。
 時間旅行が、神の計画にどんなふうにフィットするのか?
 物事って変えることができるのか?
 変えるべきなのか?
 君の両親は・・・彼らは歴史を変えようとした。
 そのために、えらい頑張った。
 でも、できなかった。
 僕は、そのようにしかならないと思っていた。(ここは訳が怪しい。)
 それに、長老派教会の観点からは、」
そこでロジャーは、声にちょっとユーモアをにじませた。
「運命を変えられないってことは、ある意味、安心だった。
 運命は、変えられるべきではないんだよ。
 『神は、天国におられる。すべての権利とともに』という具合にね。」

「でも、」とブリ―は、折りたたんだコピーを握りしめて言った。
彼女は、そばをはばたく白いガの姿に向かって、それを振り回した。
「でも、」とロジャーは同意した。
「物事は変えられるって証拠がある。」
「私、ママとそれについてちょっと話したわ。」
少し考えてから、ブリアナは言った。
「ママは、笑ったわ。」
「え、笑ったの?」ロジャーは冷たく言い、ブリーはそれに答えて笑いの息を漏らした。
「それを変だと思って笑ったんじゃないわ。」と彼女はロジャーを安心させた。
「私は、時間旅行者が物事や未来を変えるって、可能と思うかどうか聞いたのよ。
 ママは、できるって言ったわ。
 ママ無しでは死んでいたかも知れない人を助けるたびに、明らかにママは物事を変えているからよ。
 その何人かは、もしかしたら産まれなかったかもしれない子どもたちを産んでいるわ。
 どうやって神の力がはたらくのか、プロテスタントのように詳細にしようと考えず、カトリックの人たちがミステリーのままにしているのはいいことだって言って、笑ったのよ。」

「ふむ、何と言ったらいいのかわからないな・・・おっと、彼女はもしかして、僕のことを意味していたのかな?」
「たぶんね。私は尋ねなかったわ。」
というわけで、今度は笑うのはロジャーの番だった。
もっとも、笑うと喉が痛んだ。

「証拠ね。」とブリアナは考え深げに言った。
彼女は正面玄関のそばのベンチに腰掛け、長く神経質で器用な指でコピーを持っていた。
「よくわからないわ。これは証拠なの?」
「たぶん、君の厳格な科学者としての基準では、証拠とは言えない。」とロジャーは言った。
「でも、僕は覚えているし、君もだ。
 もしも覚えているのが僕だけだったのなら、そうだね、僕だってそれは僕の頭がどうにかしちゃったと思うべきだろう。
 でも、僕は君の精神状態には少し重きを置いているんだ。
 おっと、君、それで紙飛行機を作ろうとしているの?」
「いいえ、ただ・・・わお、マンディ!」
ブリアナは立ち上がり、ロジャーが2階の子ども部屋から泣き声がするのに気付く前に動いて家の中に消えた。
ロジャーは下に残って、ドアに鍵をかけた。
普段は彼らはわざわざ鍵をかけたりしない。
ハイランドでは、誰もそんなことはしないのだ。
でも、今夜は・・・



さて、ロジャーはこれからどうするのでしょうか。
お父さんを探しにいくのでしょうか?どこへ?
物語の最初の頃は、軟弱に見えたロジャーだけれど、ずいぶんたくましく成長しました。
そんなロジャーが出した結論とは・・・
また、ネタばれになりますが、それでもOKの方は ≪つづき をどうぞ。
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さっと、ロジャーの前の道を長い灰色の影が通り過ぎ、彼の心臓の鼓動が速まった。
それから、彼が微笑むと、もとに戻った。
小さなアドソーが、うろつきに出てきたのだ。

数か月前に、近所の男の子がかご一杯の子猫の家を求めてやってきたので、ブリ―が灰色で緑色のを母(クレア)のネコにちなんで選び、同じ名前をつけたのだ。
もし番犬を飼ったなら、ロロと名付けるべきなのだろうか?とロジャーは思った。

「ミニスター(聖職者)について話そう・・・」とロジャーは言った。
ミニスターのネコは狩猟ネコだった、という言い回しがあったな。
「なら、いい狩りができるといいね。」と彼はアジサイの茂みの下に消えていく尻尾に向かって言い、ブリアナが小道に落としていった2つ折りの紙を拾った。
紙飛行機ではない。
何だろう?
紙の帽子か?
わからない。
ロジャーはそれをシャツのポケットに入れ、家に入った。

ブリ―とマンディは、居間の熾したばかりの火の前にいた。
マンディは、世話をされ、ミルクをもらい、ブリーの腕の中で再び眠りにつこうとしていた。
彼女はロジャーを見て、親指を吸いながら、眠そうに瞬きをした。
「あい、で、何が問題だったんだい、リアニャン(かわいい子)?」とロジャーはそっとマンディに言い、からみあったカールを目から押しのけた。
「悪い夢を見たのよ。」とブリ―が言った。
彼女の声は、注意深く何気ない風を装っていた。
「外の悪ものが、窓から入ろうとしていたの。」

ロジャーとブリアナは、まさにその窓の下に座っていたが、ロジャーは思わずそばの窓を見た。
窓は家庭的な情景を反射していて、ロジャーはその一部だった。
窓の中の男は警戒していて、肩は何かの襲撃に備えて丸まっていた。
彼は立ち上がり、カーテンを引いた。

「さぁ。」と彼は唐突に言い、座ってマンディの方に手を伸ばした。
彼女は彼の耳に濡れた親指を突っ込みながら、ナマケモノのようにゆっくりと彼の腕の中に入ってきた。
ブリ―は2人のためにココアのカップを取りに行き、瀬戸物の触れ合う音と、暖かいミルクとチョコレートの香りとともに、何か難しいことをどう切り出そうか考えている顔つきで戻ってきた。

「あなた・・・つまり・・・難しいこと・・・神に尋ねることを考えてみたの?」と彼女は言いにくそうに尋ねた。「直接?」
「うん、僕はそのことも考えてみた。」とロジャーはその質問に対して、困惑と驚きを感じながら彼女を安心させた。
「それに、そうだ。僕は実際に尋ねてみた。何度もね。
 特に、オックスフォードへ行く道すがら。
 そして、それを見つけたんだ。」
彼は紙切れに向かって頷いた。
「ところで、それは何だい?
 その形のことだよ。」
「あら、これ。」彼女は紙を取り上げ、手早く確信を持って何回か折り曲げて仕上げた。
そして、作品を手のひらに載せて差し出した。
ロジャーは眉を寄せてしばらく見つめ、そしてそれが何なのかに気がついた。
『中国のおみくじ』と子どもたちが呼ぶやつだ。
紙切れには、指を入れる4つのポケットがついていて、質問が行われている間に違った組み合わせで作品を開けることができる。
そのとき、内側の折り込み部分に4つの違った答えを書いておく。
つまり、「イエス」「ノー」「ときどき」「いつも」という答えだ。
そして、違った答えが現れるのだ。

「とてもぴったりだ。」と彼は言った。
2人はしばらく黙って静かにココアを飲んだ。
その静寂は、質問のはざまにかろうじてバランスを保っているものだった。

「『ウェストミンスター信仰告白』には、こういったことも書かれているんだ。
 『神のみが、善悪の判断をつかさどる。』ってね。
 僕はその言葉で、心の平安を保とうとしている。」
それから、静かに付け加えた。
「あるいは、その逆だ。
 僕はウェザースプーン牧師に言ったんだ。
 歌えない聖歌隊指揮者の助手って、ちょっと変ではないかって。
 そしたら彼は微笑んで、必要な間は教会に属していられるように僕に仕事を与えただけなんだと言った。(ここの訳も怪しい。)
 
多分、僕が船か何かに飛び乗って、ローマ(カトリックの総本山)へ行ってしまうのを恐れていたんだよ。」
と彼は、ヘタな冗談として付け加えた。

「それは、良かったわね。」
ブリアナは、飲んでいないココアの中を覗き込みながら、優しく言った。
さらに静寂が続いた。
ジェリー・マッケンジー、英国空軍兵の姿が現れ、羊毛で縁取りされた皮の飛行用ジャケットを着て火のそばに座り、孫娘の墨のような黒い髪に反射する炎の影をじっと見つめた。

「あなたは・・・」
ロジャーは、ブリアナの乾いた口から舌が動く時、小さく音がするのを聞いた。
「あなたは、確かめるつもり?
 お父さんがどこへ行ったのか、見つけることができるかどうか?
 彼が今、どこにいるのか・・・?」

彼はどこいるのだろうか?
ここなのか?あそこなのか?
その時は?今は?

ロジャーの心臓は、円塔にいた放浪者のことを考えて、発作的によろめいた。
おお、神よ。
そんなはずは、ない。
理由がない。
ただ望んでいるだけだ。

ロジャーは、オックスフォードへ行く途中に、祈りながら、何度も考えた。
もしもチャンスがあったなら、何を言おうか。
何を尋ねようか。
すべてのことを尋ねたかった。
すべてと言ったが、父に言いたかったことは、本当はたった1つだけの事なのだ。
そのたった1つの事とは、彼の腕の中で酔っ払ったマルハナバチのようにいびきをかいているのだ。

「いやよ」
マンディは、眠りながらもぞもぞし、小さくげっぷをして、彼の胸にもたれて落ち着いた。
ロジャーは目を上げず、マンディの黒い巻き毛の迷路に視線を固定していた。

「僕には、自分の子どもたちが父親を失くす危険を冒すことはできない。」
ロジャーの声は、ほとんど消えかかっていた。
彼は、自分の声帯が言葉を絞りだそうと、歯車のようにきしんでいるのを感じた。

「それは、とっても大切なことなんだ。
 父親がいたことは、絶対忘れないものだ。」
ブリ―の目が横に逸れた。
その青さは、炉の火の輝き以上だった。
「思うんだけれど・・・あなたはとても若かったのよね。
 実際に自分の父親を覚えているの?」
ロジャーは首を振った。
心臓の各部屋は、空っぽを掴んで激しく引き絞られた。

「覚えていない。」とロジャーはそっと言った。
そして首を曲げて、娘の髪の香りを吸った。
「僕が覚えているのは、君のお父さんだよ。」

つまり、ジェイミーということですね。
このロジャーが最初にジェイミーに会った時のことを考えると、ずいぶんいろんなことがあったな、と感慨深いです。

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