落語

2010年2月13日 (土)

落語:彌次郎

/古今亭 志ん生/昭和31年NHKライヴ録音(5月6日中部日本放送)コロムビア

志ん生の音源は、CDで沢山持っているのだけれど、『彌次郎』を入れたシリーズはなかなか見当たらない。
これは、『決定盤 志ん生落語集<5>』に、『鰍沢』や『甲府い』とともに収められている。
音はあまり良くないが、聴いていてとても楽しい。
志ん生66歳。
脳溢血になる前の、あぶらの乗り切った時期の録音だ。

大ぼら吹きの弥次郎とその友人の掛け合い、という設定だ。

『今日は駄目だぜ、いつものようなことばかり言ってちゃ。どうもおまえさんの嘘にはひっかかっちまう・・・』

のんびりした語り口で、ひとなっつこそうに語り始める。

『ここのところちょいと見えなかったけど、どこへ行っていたの?』
『ええ、北海道のずうっと奥の方へ行っていました。』
『あっちは、寒いだろうな。』
『寒いだろうな、なんて疑るような寒さじゃありませんよ。
 なんでも、こう、凍っちまうんだから。
 お茶なんぞ、おあがんなんて言いませんよ。
 お茶をお齧んなさいまし。』

観客も素直で、にぎやかに笑いさざめく。
活気に満ち溢れ、ひょうひょうとした、志ん生らしい高座だ。

笑いと語りがいいリズムで調子を合わせ、大ぼらの風呂敷が広がっていく。
その想像力は、留まることを知らない。
ぐいぐい観客を引っ張っていく。

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